Maker Faire Kyoto 2019で2016年のTokyoから開催されている「子どもプログラミング喫茶」を開催しました。 「子どもプログラミング喫茶」とは喫茶店のようにメニューから好きなものを選んで注文できるスタイルのプログラミング体験ワークショップで、今回はmicro:bit、Scratch、Scratch+micro:bit、Unity、Processingを使ったメニューを用意して開店しました。用意したといっても、私が用意したのではなく「子どもプログラミング喫茶」のチームメンバーによる持ち寄りです。

思い返せば当日までにも当日にも多くのことがあり、書きたいことは山ほどあるのですが、今回の「子どもプログラミング喫茶」開催の目的に沿ってまとめてみたいと思います。 「子どもプログラミング喫茶」開催の目的は大きく2つありました。ひとつは来場者に対するもの、もうひとつはスタッフに対するものです。

来場者に対する目的

来場に対する目的として、以下の2つを掲げていました。

  1. Maker Faireで目にするさまざまなものは自分も関われる可能性に気づいてもらう。
  2. 当日体験して終わりではなくて、帰ってから続きをやりたいと思ってもらう。

1つ目はTokyoを踏襲したもので、2つ目は今回追加したものです。意味としては、1つ目と重複するところもありますが、イベント(非日常)として感じてもらうのではなく、日常の中で楽しんだり利用するものと感じて欲しいということを強く押し出すためにあえて追加しました。

二日間を終えてみて、みなさんがどう感じられたのかはわからない部分の方が多いのですが、きっと両方を感じ取っていただけたのではないかと思います。体験終了後子ども達には付箋紙に一言感想を買いてもらって壁に貼ってもらったのですが、その中にも「またやりたい」「持って帰りたい」「続きをやりたい」「難しかったけど楽しかった」といったコメントがたくさんありました。これらの付箋紙は一枚一枚写真に納めて記録していますので、整理ができたら後日公開します。

(追記)アルバムへのリンクを追加しました。

スタッフに対して

そして、ボランティアとして関わってくださったスタッフのみなさんに対しては次の3つの目標を掲げました。

  1. ワークショップの企画・運営を通じて、場づくりができる人を増やす。
  2. ワークショップの企画・運営を通じて、経験、知見を共有する。
  3. ワークショップの企画・運営を通じて、新しいつながりを得てもらう。

これらについては、間違いなく達成できたんじゃないかと思う、いや元々彼らが持っていたポテンシャルを遺憾無く発揮してくれた結果、そう見えただけかもしれない。 それぐらい、最年少は小学6年生から上は高校生までの学生スタッフ10人が当日に参加してくれましたが、みんな主体的かつ自律的に動いてくれたのです。

プログラミング喫茶の店員としてプログラミングのサポートはもちろん、店頭に立っての来場者対応も含めすべて「自分から進んで」対応してくれました。 たとえば、こんなやりとりです。

  • 〇〇さん、このメニューやったことある?
  • それはまだないです。
  • 簡単に説明するからサポートしてあげてくれる?このファイル使って、こういう手順でここをポイントに進めて欲しい、いける?
  • いけます!
  • じゃ、お願いするわ!

このやりとりが10秒以内ぐらいで済むスピード感ですべてが進みます。 二日間合わせて13時間のイベント開催時間、トータルで約170人の子ども達が体験してくれましたから、1時間あたり13人の子ども達が店内に居た計算となります。テーブルは5卓ありましたから、この数字をみてもイベント開催中ほぼテーブルが埋まっていたことがわかりますよね。

このスピード感がなければ、これだけの子ども達に体験してもらうことは無理だったと思いますし、このスピードを達成するにはみんなが主体的に関わらなければ無理だったと思います。そして、喫茶のマスターであった私は彼らのおかげ初日の後半には完全な安心感を手に入れました。

大人のスタッフのみなさんも同じように対応してくれたので学生さんに対してだけ「よくできたね」というのは上から目線に見えるかもしれませんが、今回この企画はすべてオンラインのみで進み、会場ではじめて会った人が多かったのでここまでできるとは思っていませんでした。 このことについては、全体をオーガナイズする立場であった自分に落ち度があったなと思っていました、みんな忙しいとはいえオフラインでの顔合わせの場を設定しなかったのは、失敗だったなと。でも、当日そんなことはすっかり忘れてしまうほど、みんな完璧に動いてくれました。

わかってもらえるでしょうか?私が感じた、そして他の大人スタッフが感じたこの爽快感。これは社会で主体的でない人と関わったしんどさを経験した大人だからこそ感じられる爽快感なのであって、彼らにとってはしごく当たり前のことなのかもしれません。

出会ってすぐに仲良くなるのも若い人の素晴らしいところです。はじめて会った人同士でご飯を食べに行ったり展示を観に行ったりしている組み合わせもありました。 そういった状況すべてを見て、当初に掲げた目標通りだったし、でもそれは「子どもプログラミング喫茶」を通して身につけたものではなく、それぞれが元々持っていたものが「子どもプログラミング喫茶」で発揮されただけなんだなと感じています。

保護者の方の反応

最後に体験したお子さんの保護者の方の反応についてまとめておきます。私が話した限りプログラミングに関心のある保護者の方は多いです、もちろん来年からのプログラミング教育必修化のことを気にされている保護者の方もいらっしゃいます、スタッフの説明を熱心に聞き入り「私が理解できました」とおっしゃった保護者の方もいらっしゃいます。

また何名かの方はスタッフに小学生がいることに気づいた驚かれていました。なにしろ自分の子どもと対して年齢が変わらなかったり同い年の子がスタッフとしてプログラミングをサポートしているのですから。 そのことでもし「あの子ができてるんだから、あなたも頑張りなさい」と帰ってから言われているようなことになってないかが気になりますが「プログラミングは誰にでもできるもの」であることに目が向いてくれたらいいなと思います。自分の子どもがプログラミングを理解している様子を見て感心している保護者の方もいらっしゃましたしね。

最後に

当日を迎えて当初考えていた通りに進まず、決めていたこともすっとんでしまい喫茶マスターとしてスタッフのみなさんには迷惑をかけたなと思っています。 しかし、そんなマスターの足りないところを補ってあまりあるスタッフのみなさんと一緒にできて京都の「子どもプログラミング喫茶」は大成功を納めました。 当日のスタッフはもちろん、今回の企画に関わってくださったすべての方に深くお礼を申し上げます。

集合写真